生活福祉資金貸付制度の種類や貸付条件、審査や申込み方法を徹底解説!

生活福祉資金貸付制度とは、生活に余裕がなく、カードローンなどの利用もできないという困っている人のために、無担保・無利子(条件により低金利)で貸付する厚生労働省の制度です。

ただ、誰でもOKというわけではありません。

そこで、制度のしくみと利用条件、制度が利用OKの人と利用NGの人との違いなどを詳しく解説します。

マネーおじさん
「生活福祉資金貸付制度」というと堅苦しく感じるけれど、要は困っている人を助ける国の福祉制度なんだ。この機会にしっかり理解するといいね。

生活福祉資金貸付制度の貸付条件

生活福祉資金貸付制度は、厚生労働省が定める一定の条件を満たす必要があり、規定の申込み手続きをして審査にパスすれば貸付が実行されます。

生活福祉資金貸付制度が利用できる人には4つの条件があります

生活福祉金制度が利用OKとなる4つの条件について以下に紹介しましょう。

利用目的が明確であること

申込み時に

  • 生活を立て直すために必要
  • 教育資金にあてる
  • 実生活上でまとまった資金が必要

など、利用目を明確にすること。目的以外の利用はNG。

低所得世帯であること

市町村民税が非課税対象となっているような低所得の世帯で、金融機関のカードローン利用ができず生活に支障をきたしている人が対象。

貸付を受けることによって自活した生活が可能になると認定されれば利用OK。

65歳以上の高齢者が居住する世帯

65歳以上の高齢者がいる世帯。高齢者が日常生活において医療や介護を必要とする場合、それにかかる費用が必要と認められれば利用OK。

障害者が居住する世帯

「障害者総合支援法」に基づくサービスを受けている人、またはそれに準じる障害者がいる世帯。

身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた人が居住する世帯が対象。

マネーおじさん
「借入れによって生活の安定を目指す」というのが制度の趣旨なんだ。

利用条件を満たし、借入れによって生活が再建または安定につながるという見通しがあればOKということだね。

生活福祉資金貸付制度が利用できない人の2つの条件とは

審査の結果、利用NGとなる人の多くは以下の除外規定に該当しています。

多重債務を抱えている人

条件を満たしていても、申込みの段階ですでに複数の債務を抱えている人。

個人の債務情報は信用情報機関に保管されており、債務を隠して申込んでも無駄なので要注意。

返済が見込めない人

貸付金の返済の見込みが立たない人。最初から返済するつもりがないと判断された人は利用NG。

引用元:生活福祉資金貸付制度

マネーおじさん
生活に困っている人が、どうしても必要なお金を国から借りる制度というわけだね。

でも、いくら無金利や低金利だといっても、「返す見込みのない人には貸さないよ」という制度だということ。資金は国民の税金なんだから、これは当然といえるね。

生活福祉資金制度の4種類とその内容を解説します

生活福祉資金貸付制度は利用者の目的の内容に応じて4つの種類があります。内容および特徴やメリットなどは以下を参照してください。

4種類ある貸付・支援資金それぞれの特徴と内容

総合支援資金

生活の立て直しや経済的自立を支援する目的の資金を貸付ける制度。失業などで日常生活に金銭的な支障をきたしている人が対象。

困窮している現状を金銭的支援によって改善したいという人が申込み可能。資金は以下の3種類。

生活支援費

自立生活のために当面必要な費用を支援。

単身者は月15万円以内で、2名以上の世帯は月20万円以内。いずれも3ヵ月から最大1年の分割貸付。

住宅入居費

住居がない人のために、住居の賃貸契約に必要な費用を支援。金額は40万円以内で、一括にて支給。

一時生活再建費

生活の立て直しにために一時的に必要な費用を支援。

就職や転職に必要な技能を習得するための学習経費や、滞納している公共料金の立替費用などが該当。金額は60万円以内。

マネーおじさん
「総合支援資金」は、安定した生活をおくるための経済的自立支援が目的。原則として無利子だが、連帯保証人が必要なんだ。

また、総合支援資金自体は生活支援資金がメイン。住戸入居費と一時生活再建費については、生活支援資金を利用してもなお必要な費用が不足している場合に申込み可能だよ。

福祉資金

やむをえない事情によって、一時的にまとまった金銭が必要になった人のための資金貸付制度。

給与など毎月の定期収入だけでは捻出できない人が対象。利用目的は以下のとおり。

福祉目的

「就職・転職」「技能取得」「出産・葬祭」「住居の転居・改装」「傷病の治療・介護サービス」「被災による再建」などが該当。生活のために、どうしても必要となる経費であることが条件。

緊急小口

「住む家がない」「飲食費用がない」など、生命にかかわるほど困窮しており、緊急を要する場合が対象。連帯保証人不要で無金利なのが特徴。

マネーおじさん
「福祉資金」は「やむえない事情がなければ利用NG」というわけだね。

たとえば「通勤に便利なバイクを購入」「故障した洗濯機を新品に買替え」という理由で申込んでもNGとなるだけなので要注意ということ。

教育支援資金

同居する子弟の進学のために必要な学費を貸し付ける制度。

預貯金がなく学資ローンなども利用できず、費用が捻出できない場合に申込が可能。進学先別の貸付限度額や貸付期間などは下記のとおり。

高等学校 高等専門学校 短期大学 大学
月度限度額 35,000円 60,000円 60,000円 65,000円
貸付期間 3年 5年 2年 4年
据置期間 卒業後6ヵ月以内
償還期限 据置期間経過後20年以内

引用元:生活福祉資金貸付条件等一覧

マネーおじさん
教育支援資金は「借受人」は進学する本人で、借受人と同居している親権者が「連帯借受人」となる制度なんだ。無利子だが、申込み者が居住する地域に住んでいる人の連帯保証人が必要だよ。

進学に必要な費用の貸付なので、学費などの総額から自己資金と公的支援金の合計額を差し引いた金額が支給されます。

また、他の制度との併用はNGで、受験料など入学前に必要な費用は対象外なので注意しましょう。

不動産担保型生活資金

自分名義の住居を担保にして生活に必要な費用の借入れを可能とする制度です。

他の制度とは異なり、規定がいくぶん複雑なので、各項目の内容を熟読して申込みましょう。

不動産担保型生活資金の利用条件

  • 原則65歳以上の低所得者世帯
  • 借入申込者の配偶者または本人か配偶者の父母以外の同居者がいないこと
  • 土地評価額が1,000万~1,500万円以上
  • 抵当権・貸借権などが設定されていない不動産であること
貸付限度額 土地評価額の70%基準
貸付月額 1ヵ月あたり30万円以内
貸付期間 借受人の死亡時まで/または貸付元利金が貸付限度額に達するまで
据置期間 契約終了後3ヵ月以内
返済期間 据置期間の終了時まで
返済の担保措置 法定相続人1名の連帯保証人要/根抵当権の設定/所有権移転の仮登記
貸付利率の規定

住居の建物のみやマンションなど集合住宅は対象外。

貸付金利は年3%または年度ごとの長期プライムレートのいずれか低い利率が基準。延滞利子は元金残高に対して年10.75%。

マネーおじさん
4種類の貸付資金は、利用者の目的に応じて分類されているんだ。

自分がどれに当てはまるのか、事前にチェックしておくことが大切だね。

生活福祉資金貸付制度の申込み方法と必要書類

まず、生活福祉資金貸付制度のどの種類を申込むかを決め、利用条件を確認。

そして、受付窓口で担当者に相談することから申込み手続きがスタートします。

窓口相談から申込み手続き、審査・振込・返済まで

相談・申込み・審査・貸付・返済にいたる全体の流れは以下のとおりです。

手続きのフロー

step
1
申込み


各市区町村の社会福祉協議会の窓口で担当者と面談し、借入額や償還(返済)計画など利用に関しての相談。その結果、利用要件を満たしていると判断されれば次のステップに。

step
2
書類作成


申込みに必要な書類の交付を受け、書面の諸項目に記入の上、必要書類を添付して窓口に提出。

step
3
審査


書類一式が居住地の各都道府県にある社会福祉協議会に送付され、正式に審査が開始。
審査期間は数週間ほど。

step
4
結果通知


「貸付決定通知書」または「不承認通知書」が自宅に郵便で到着。
「貸付決定通知書」を受領した人は、「借入書」に必要事項を記入して社会福祉協議会宛に郵送。

step
5
振込


社会福祉協議会より貸付金が交付され、申込み者の指定金融機関口座に振込。

step
6
返済


規定に基づき、貸付金の償還(返済)がスタート。

引用元:生活福祉資金

必要書類

  • 健康保険証
  • 住民票
  • 連帯保証人の情報書類(給与証明・預貯金証明など)
  • 求職活動証明書類、公的給付・貸付関連書類(失業者対象/ハローワーク発行のもの)
  • 個人情報関連同意書
  • 住居入居関連書類(各自治体または不動産業者発行のもの)
  • その他(相談窓口で確認のこと)
失業者が総合支援資金に申込む際の注意点

失業者が「総合支援資金」を申込む際には、ハローワークでの求職登録が必要。


住居がない場合には各自治体に「住宅確保給付金」の申請をしておくこと。

貸付金は申込み者本人の口座に振込。


「住居入居費」の貸付金に関しては家主や不動産業者の口座に振込。

「臨時特例つなぎ資金貸付制度」を活用


失業などで、貸付金の振込までの期間の生活費に窮しているという人のための制度。

この制度を利用すれば、連帯保証人なしの無利子で最大10万円までの貸付が可能。受付は生活福祉資金貸付制度と同じく、各市町村の社会福祉協議会の窓口で受付。

マネーおじさん
申込み手続きはそう複雑ではないが、窓口での最初の相談がポイントだね。

窓口の担当者に現状を理解してもらって、確実に審査にパスするのが第一段階ということなんだ。

生活福祉資金貸付制度のまとめ

以上、生活福祉資金貸付制度についての概要と申込みの仕方などについて紹介しました。

高齢化社会の現代、同居する親族の介護などで出費がかさみ日常生活に支障をきたしている人も急増しているようです。

またあるいは、倒産やリストラなどによって再就職がままならないという人も多いでしょう。

どうしてもまとまったお金が必要にもかかわらず、失業などによってカードローンなどでの借入れができない人にとって、生活福祉資金貸付制度は国家主体の福祉政策の一環であり、救済制度だともいえます。

マネーおじさん
「生活福祉資金貸付制度」を利用しようと考えている人は、種類がいくつかあるので、まずは地元の社会福祉協議会の窓口を訪ねてみることが出発点だね。

本当に困っている人を助けるためにできた制度なので、まずは担当者にじっくり相談することが大切なんだ。

-公的機関でお金を借りる方法

Copyright© マネポリー , 2024 All Rights Reserved.