教育ローンには国のものと民間のものがある?
教育ローンには、大きく分けて「国の教育ローン」と「民間の教育ローン」の2種類があるのをご存知ですか?
国の教育ローンは民間のそれに比べて金利も低く返済期間も長期で設定されているので、とても利用しやすいものになっています。
ここではそんな国の教育ローン「教育一般貸付」について、概要や手続きの流れ、飛鳥な書類や注意点について詳しく解説します。
子供の進学に合わせて教育ローンを考えていた方は必見ですよ!
国の教育ローン「教育一般貸付」とはどんなもの?
まずは国の教育ローン「教育一般貸付」の概要について解説します。
教育一般貸付ってなに?
教育一般貸付は、子の教育費のために使うことを条件に日本政策金融公庫が保護者に対して融資を行う教育ローンのことです。
別名「国の教育ローン」とも呼ばれ、金利は民間のものより低く返済期間は長いのですが、融資額は少ないという特徴があります。
日本政策金融公庫ってどんなところ?
日本政策金融公庫は公的な金融機関で、国の政策に基づき個人や中小企業などへ融資などを行っているところです。
基本的に民間の金融機関の補完という位置付けにあり、政府が全額出資しています。
教育一般貸付はどのようなものに使えるの?
教育一般貸付は、子供の教育費に使われることが前提とされていますが、具体的には次の通りです。
- 受験料や受験時の交通費、宿泊費などの受験に掛かる費用
- 入学金や授業料などの学校納付金
- アパートまたはマンションの敷金や家賃などの住居に掛かる費用
- 教科書代や通学費用、教材費などの教育関係の雑費
- 海外留学に掛かる費用
- 資格取得に掛かる費用
このように教育一般貸付は多様に使え、対象となる学校も高校、専門学校、短大、大学と幅広くなっているのが特徴です。
融資額と利息、返済期間と据え置き期間は?
では、教育一般貸付の融資額、利率はそれぞれいくらになるのでしょうか?融資限度額と年利は次の通りです。
- 融資限度額:一人当たり最高350万円(海外留学資金の場合は450万円)
- 年利:1.76%(固定金利)
- 返済期間:15年以内(ただし、低所得者等は18年以内)
- 据置期間:在学中は利息のみの返済が可能だが、この期間は返済期間に含まれる
このように教育一般貸付は、ある程度大きな額が低い金利で融資を受けられるのです。
教育一般貸付の利用条件は?
教育一般貸付には利用条件として、世帯年収(所得)に上限があり、それは次の通りです。
子供の人数 | 給与所得者 | 事業所得者 |
---|---|---|
1人 | 790万円 | 590万円 |
2人 | 890万円 | 680万円 |
3人 | 990万円 | 770万円 |
4人 | 1,090万円 | 870万円 |
5人 | 1,190万円 | 970万円 |
世帯所得には配偶者のものも含まれ、親族などでも利用できる場合があります。
また、独立行政法人日本学生支援機構の奨学金とも併せて利用でき、今年の世帯年収(所得)がこの金額内の収まる見込みの方は利用できる場合があります。
なおこの世帯年収(所得)の上限ですが一部緩和措置があり、子供が2人以内の場合、次の条件のいずれか一つにあてはまると給与所得者は990万円、事業所得者は770万円まで上限が緩和されます。
- 勤続(営業)年数が3年未満 の場合
- 居住年数が1年未満の場合
- 世帯のいずれかの方が自宅外通学(予定)者の場合
- 借入申込者またはその配偶者が単身赴任の場合
- 借入の目的が海外留学資金の場合
- 返済負担率(1年間の借入金返済額÷年収(所得))が30%超の場合
- 世帯年収に占める在学費用の負担率(世帯全員の年間在学費用÷年収(所得))が30%超の場合
- 世帯年収に占める「在学費用+住宅ローン」の負担率(「世帯全員の在学費用+住宅ローン返済額」÷年収(所得))が40%超の場合
- 親族などに要介護(要支援)認定を受けている方がおり、その介護費用を負担している場合
- 親族などに「高額療養費制度」等、医療費の公的助成制度を利用している方がおり、 その療養費用を負担している場合
教育一般貸付の申込みの流れは?
では次に、教育一般貸付の申込みから融資までの流れや必要書類について確認しましょう。
申込みから融資までの流れは?
教育一般貸付の基本的な流れは次の通りです。
日本政策金融公庫のサイトから申込み
申込みは24時間365日可能です。教育一般貸付のこちらの公式サイトから申込みできます。
なお、日本政策金融公庫の関連支店や銀行、信用金庫などの窓口でも可能となっています。
審査結果の連絡
申込みから10日前後を目安に結果が連絡されます。
契約手続き
契約手続きは郵送でも可能となっています。
入金
審査結果が出た日から10日前後で入金されます。
このように、申込みから融資まではおよそ20日掛かる見込みになっています。
余裕を持って資金をご準備いただけるよう、必要時期の2~3ヵ月前のお申し込みをおすすめします。
申込みに必要な書類は?
次に申込みに必要な書類は何か見てみましょう。申込みには次の書類が必要です。
- 借入申込書
- 住民票の写しまたは住民票記載事項証明書
- 運転免許証またはパスポート
- 源泉徴収票または確定申告書の控え
- 預金通帳
インターネットからの申込みの場合には不要です。
世帯全員(続柄を含む)が記載されたものが必要です。
直近分を用意する必要があります。
最近6か月以上のもので、「住宅ローン(または家賃)」、「公共料金」両方の支払いが確認できるものである必要があります。
その他申込み内容によっては次の書類も必要になります。
入学資金で申し込む場合
- 合格を確認できる書類
合格通知書、入学許可証などになります。
在学資金で申し込む場合
- 在学を証明できる書類
- 使い道を確認できる書類
学生証や在学証明書が必要になります。
学校案内や授業料納付通知書などになります。
契約時に必要な書類は?
そして契約時に必要な書類は次の通りです。
- 融資のお知らせ(兼借用証書)
- 印鑑証明書
- 預金口座振替利用届
- 入金希望の口座の預金通帳
教育一般貸付の注意点ってあるの?
こんなに便利な教育一般貸付ですが、利用する前に覚えておきたい注意点があります。代表的なものを見てみましょう。
収入の下限はあるの?
利用条件として収入の下限はありませんが、返済不可能と判断された場合には借り入れることができません。
去年の年収(所得)が上限を超えていると利用できないの?
今年の世帯年収(所得)が上限額以内となる見込みの場合には、可能となる場合があります。
学生本人が申し込むことはできるの?
例えば成人し、安定したご収入があり、独立して生計を営んでいる場合には申し込みが可能です。
申込みから融資までにどの位時間が掛かるの?
基本的に20日前後ですが、入学シーズンには込み合いますので早めに申し込んだ方がよいです。
融資が決定した後にキャンセルしたり融資額を変更したりすることはできるの?
可能です。
まとめ
以上、教育一般貸付の概要や申込みの流れ、注意点などについて解説しました。
民間の教育ローンに比べて金利や返済期間が優位な「教育一般貸付」は、教育ローンの利用を考える際に第一選択肢となり得ます。
利用することでデメリットになることはないので、必要となった場合には積極的に利用することをお勧めします。