年金担保融資制度を解説!金利や借り方を知っておきましょう

年金担保融資制度はその名の通り、給付される年金を担保に公的機関からお金が借りられる制度です。

借りる金額にかかわらず金利が2.8%と一定で、銀行や消費者金融で借りるよりもはるかに低金利な年金担保融資制度。

年金を受給している銀行から申し込むことができますので、年金しか収入の当てがなくまとまった資金が必要になった方は一度銀行に相談してみましょう。

年金担保融資制度の金利や申し込み手順とあわせて、利用時の注意点を解説しています。

マネーおじさん
年金担保融資制度は特定の機関でしか利用できない制度なんだ。他の金融機関で借りるよりもメリットが大きいから、その特徴を知っておこう。

年金担保融資制度は2種類ある

  
年金担保融資制度は独立行政法人の福祉医療機構が提供している年金担保融資制度と、日本政策金融公庫が提供している恩給・共済年金担保融資の2種類あります。

どちらも他の金融機関で融資を受けるよりもメリットが大きい制度と言えますが、残念ながら制度自体が終了してしまう予定です。

年金担保融資制度は平成34年3月末で終了してしまう予定ですが、すでに恩給・共済年金担保融資制度は新規の申し込みを受け付けていません。

そのため、2019年現在において、利用するのであれば福祉医療機構が提供している年金担保融資制度しか選択肢がありませんので覚えておきましょう。

マネーおじさん
平成34年3月末で新規の受け付けを終了するけど、その後も借入金の支払いは継続されるよ。新規受け付け終了時点で一括請求されることはないから安心してね。

年金担保貸付制度・労災年金担保貸付制度は、平成22年12月の閣議決定において廃止することが決定され、平成23年12月及び平成26年12月の2回にわたる制度の見直しを行い、事業規模の縮減を図ってきましたが、このたび厚生労働省から「平成34年3月末の予定で申込受付を終了する」旨の方針が示されました

引用:年金担保融資制度は平成34年3月末の予定で申込受付を終了します | 独立行政法人福祉医療機構

年金担保融資制度のメリット

ここからは、今現在も新規申込者を受け付けている、年金担保融資制度のメリットについて解説します。

年金担保融資制度の特徴的なメリットとして見受けられるのが、以下の4点です。

  • 金利が低い
  • 審査が厳しいとは言えない
  • 他社からの借り換えにも利用できる
  • 返済しやすい

それぞれ詳しく見ていきましょう。

年金担保融資制度は金利が低い

年金担保融資制度の代表的なメリットと言えるのが、銀行系カードローンや消費者金融からの借入と比較した場合、金利が圧倒的に低い点です。

多くの方がお金を借りる際に気にする金利ですが、他社から融資を受ける際と、年金担保融資制度を利用する際とでは金利が大きく異なります。

各融資元と金利
銀行系カードローン 3~15%
消費者金融 5~18%
年金担保融資制度 2.8%

最低金利と比較した場合には大きな違いとは言えませんが、基本的に銀行系カードローンや消費者金融からの借入が、最低金利になるケースは稀と言えます。

10%以上の金利を支払っているケースも少なくありません。

その点、年金担保融資制度は借りる金額に関わらず、金利は2.8%と一定です。

年金を担保にすることから信頼性が高く、回収できないデメリットが少ない点が低金利に繋がっていると考えられます。

また、低金利であることから借入額が膨れ上がり、完済できなくなる心配も必要ありません。しかし、年度ごとに融資における金利が見直されている点には注意してください。

平成28年度時点では金利が1.9%でしたが、平成30年度の10月時点で金利は2.8%と高くなっています。

今後も高くなり、3%を超える可能性もありますので、借りる予定の方はなるべく早く申請してくださいね。

マネーおじさん
借りる金額に関係なく、金利が2.8%なのは圧倒的に低いよね。今後高くなったとしても、他の金融機関で借りるよりは安いことに変わりはないんじゃないかな。

年金担保融資制度の審査は低い?

お金を借りる上では各金融機関における審査を通過する必要がありますが、年金担保融資制度でも同様に審査を受けなくてはいけません。

しかし、審査自体は決して難しいとは言えず、通過する方も多いです。

年金担保融資制度を利用して融資を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 年金証書などの必要書類がある
  • 融資金の用途がギャンブルなど公序良俗に反していない
  • 生活保護を受けていない
  • 連帯保証人がいる

年金担保融資制度を利用するためには、そのお金を何に使うのか明確にする必要があります。

生活用品や家電購入の場合には、必要となる資金を提示するためにカタログやパンフレットを用意しておくとスムーズです。

また、連帯保証人が立てられない方も多く見受けられますが、一概に融資が受けられない訳ではありません。

保証料を支払えば、信用保証期間を連帯保証人の代理に立てられますので、覚えておきましょう。

マネーおじさん
「審査」と聞くと身構えてしまう人も多いけど、年金担保融資制度の審査は多くの人が利用しやすい難易度と言えるんじゃないかな。

年金担保融資制度は借り換えにも利用可能

年金担保融資制度を利用するには用途を明確にする必要があるとお伝えしましたが、公序良俗に反していなければ、比較的幅広い用途で融資を受けられます。

代表的な用途は借入金の借り換えです。

年金受給者の中にも、消費者金融や銀行からの借入金がある方は見受けられます。

しかし、年金担保融資制度はそれらの借入よりも金利が安くなるため、借り換えに利用すると支払わなくてはならない総額が少なくなるのです。

他社からの借入残高が多い方は、年金担保融資制度への借り換えを検討してみてください。 

マネーおじさん
消費者金融や銀行からお金を借りている人は、金利が低いから年金担保融資制度への借り換えがおすすめだよ!

年金担保融資制度は返済しやすい

年金担保融資制度で融資を受けたとしても、返済できなくなっては元も子もありませんが、返済のしやすさも大きなメリットと言えます。

年金は2ヵ月に1度の頻度で受け取れますが、その年金が給付される前に返済金額が自動的に天引きされるため、返済のし忘れを心配する必要はありません。

面倒な手続きや振込申請なども不要で、自動的に返済できることから延滞してしまい、延滞金が発生するケースもないと言えます。

今まで消費者金融や銀行からお金を借りた経験がない方でも、安心して利用できる制度です。

年金担保融資制度でお金を借りる方法

年金担保融資制度には多くのメリットがありますので、実際に借りる方法まで知っておきましょう。

年金担保融資制度は、福祉医療機構に申請して融資を受けるわけではありません。

注意事項とあわせて、手続きの手順を解説します。

年金を受給している銀行で申し込む

年金担保融資制度は、福祉医療機構から各金融機関に業務が委託されているため、申し込みは年金を受け取っている銀行などの金融機関で行います。

業務を委託されている金融機関には、「独立行政法人福祉医療機構代理店」と表示されていますので、申請できるかわからない時は探してみてください。

都市銀行や多くの地方銀行で業務を執り行っておりますので、年金の受取先口座が銀行である場合には、年金担保融資制度を利用できると考えて間違いはありません。

対照的に、以下の口座を年金の受取先口座に指定している場合は変更の手続きが必要です。

  • ゆうちょ銀行
  • 農協(JA)
  • 労働金庫

特にゆうちょ銀行の口座を年金の受取先口座にしている方は多く見受けられますので、年金担保融資制度を利用する場合、年金事務所で受取先口座の変更手続きを行いましょう。

また、借り入れの申込書は各金融機関で用意されていますが、その他に事前に用意しなければならない書類もあります。

  • 年金証書
  • 年金支給額を証明する書類
  • 実印、印鑑登録証明書
  • 顔写真付き身分証明書
  • 収入印紙
  • 借入金の用途を示す書類

上記必要書類を用意し、申込書を記入の上窓口に向かってください。

マネーおじさん
必要書類を準備するのとあわせて、年金担保融資制度が利用できる銀行口座で年金を受け取っているかどうかもチェックしてみてね。

年金担保融資制度の注意点

年金担保融資は利用する上で、いくつかの注意点があります。

場合によってはデメリットとも言える注意点ですので、こちらも必ず事前に確認しておきましょう。

  • 融資を受けるまでには1ヵ月ほどかかる
  • 融資金額の上限は200万円
  • 借りられる金額は1万円単位で決める
  • 受給している年金の年額80%、一回当たりの返済額15倍以内までしか借りられない
  • 返済額は1回当たりの年金受給額3分の1以下(下限1万円)

消費者金融とは異なり、さまざまな手続きや審査があるため即日融資は受け付けておりません。

また、実際に融資を受けられるまでに1ヵ月ほど時間を要する傾向にありますので、お金が必要になりましたらなるべく早く申し込みましょう。

借りられる金額は1万円単位で用途に応じて決められますが、融資可能額に制限がある点も注意してください。

一例ではありますが、以下は年金を年間で84万円受け取っている方のケースです。

年金を年間で84万円受け取っている方の場合
・1回当たりの年金受給額 14万円
・年間の年金受給額 14万円×6回=84万円
・年間の年金受給額から算出される融資の上限額 84万円×80%=67万円
・1回当たりの返済可能額 14万円×33%=4万円
・返済額から算出される融資可能額 4万円×15=60万円

(1万円以下の端数は切り捨て)

年間の年金受給額から計算すると融資の上限額67万円です。

しかし、1回当たりの返済額から融資可能額を計算した場合は60万円となるため、どちらが上限かわかりにくい印象を受けます。

福祉医療機構の公式サイトから試算できましたが、この場合は融資可能額が低いほうが適応されるため、融資上限額は60万円です。

いくら借りられるのか不安に感じた際には、参考にしてみてください。

マネーおじさん
福祉医療機構の公式サイトから実際に試算できるから、わからなくなったらこの記事とあわせて公式サイトもチェックしてみよう!

◎⇒www.wam.go.jp

年金担保融資制度の金利と借り方まとめ

年金担保融資制度の金利と借り方についてご紹介しましたが、まとめると以下の通りです。

  • 年金担保融資制度の金利は2.8%(変更の可能性アリ)
  • 審査は用途が明確であれば通る傾向にある
  • 借入金の借り換えにも利用可能
  • 返済しやすく滞納の心配がない
  • 利用するには年金を受給している銀行で申し込みが必要
  • 融資可能額や借りられるまでの期間には注意

年金担保融資制度の金利は今までの傾向から考えると、今後高くなる可能性があります。

しかし、銀行系カードローンや消費者金融から融資を受けるよりも、金利が低いことには変わりありません。他社からの借り換えも含めて、利用するメリットは大きいと言えます。

返済のしやすい点など他にもメリットが多く見受けられましたが、融資までに期間を要する点、借りられる金額の上限がある点は年金担保融資制度のデメリットです。

また、年金しか収入の当てがない方は、毎回の年金受給額が少なくなってしまうため、計画的に利用する必要があります。本当に必要になった時のみ、利用を検討しましょう。

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